MISO JOURNAL
日本各地の味噌蔵さまを深堀りしていくMISOTIMES。
今回は「特上つぶみそ」を製造されている安藤醸造(秋田県)の代表取締役専務 安藤雄介様にお話を伺いました。
目次
角館の歴史とともに発展した味噌蔵
コロナによる損失を新しい取り組みでカバー
縮小している業界だからこそ挑戦する
角館の歴史とともに発展した味噌蔵
MISOVATION「味噌作りのきっかけを教えて下さい。」
安藤様「我々、安藤家は享保の時代から角館に地主として住んでいた歴史があり、その副業として味噌醤油の醸造をはじめました。味噌の仕込み樽に嘉永6年の銘があり、そこから安藤醸造が始まったと言われています。嘉永6年といえば、ちょうどペリー来航の年ですね。」
MISOVATION「約170年もの歴史があるのですね。角館の観光ブームにより影響も大きそうですね。」
安藤様「そうですね。角館はもともと大名"佐竹北家"が治めていた地域でして、城下町として発展してきました。今でも武家屋敷が建ち並んでおり、重要伝統的建造物群保存地区として選定されたことで、観光客も多く訪れるようになりました。弊社のレンガ造りの蔵も東北地方で最古のものであり、仙北市指定有形文化財にも登録されています。平成になってからは秋田新幹線の開業やJR東日本のCMに使用された事なども後押しとなり、東北を代表する一大観光名所になりました。観光客の増加に伴い、直営店舗も運営しています。現在、角館エリアに3店舗あります。」
コロナによる損失を新しい取り組みでカバー
MISOVATION「まさに観光需要とともに事業を伸ばしてこられた、ということですね。やはりコロナの影響はありましたか?」
安藤様「観光客が来なくなり、少なからず影響はありましたね。ただ、ECサイトでの販売を強化したり、卸売を強化したことで、損失分をカバーする売上をたてることができました。大打撃というわけではなかったですね。」
MISOVATION「新しい試みによって経営基盤も強化されてきたのですね。」
安藤様「これまでは50〜80代のお客様が多かったのですが、ECサイトを通じて30~40代のお客様にリーチできています。卸売としては関東の明治屋さん等、高級スーパーや百貨店でお取り扱いいただいています。どちらも観光客向けの事業展開に留まっていては開拓できなかった市場だと思います。」
縮小している業界だからこそ挑戦する
MISOVATION「新しい取り組みに積極的なところが安藤醸造さんの特徴でもあるなと思います。」
安藤様「高齢化に伴い縮小している業界ですし、今後の成長を考えるとこのままだと厳しいと感じています。私自身、大学卒業後はすぐに家業に戻らず、"らでぃっしゅぼーや"という生鮮ECサイトを運営している会社に入社し、経験を積みました。その時の経験も活きていると思います。次の世代にどうバトンを繋いでいくかを意識しながら、海外進出も含め、とにかく自分がワクワクできることを今後もやっていきたいなと思います。」
MISOVATION「秋田味噌を若い世代、そして世界に届けていく。MISOVATIONとしてもお力添えできればと思います。本日はありがとうございました!」
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