味噌をもっと楽しもう~味噌の分類~
こんにちは、MISOVATIONスタッフのゆきみです。
最近のマイブームは庭で採れた夏野菜を味噌ディップで食べること。特にきゅうり、ナス、トマトが王道ですが、個人的には生ゴーヤがお酒に合う!!
味噌ディップの作り方はとっても簡単。お好みの味噌大さじ1、砂糖小さじ1、水ちょっとを混ぜるだけで出来上がり。
他にもマヨネーズ、七味、はちみつ、青じそなどおうちにある身近な食材を混ぜてバリエーションを楽しめます。おつまみにもピッタリですし、夏バテ対策にもおすすめですよ。
今回は味噌の分類をご紹介します。一口に味噌といっても、それぞれの出身地域や家庭によって使ってる味噌って全然違いますよね。味噌の分類や特徴を知っていただくことで料理や気分に合わせて味噌の使い分けも楽しんでみてくださいね。
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味噌を分類する3つのポイント
食品には「日本農林規格(JAS)」が設定されることが多いですが、種類が多く規格を設けるための分類が困難などの理由により、味噌はJAS規格が定められていない、明確な基準がない食品です。
ただ、その多種多様な味噌も大きく分類していくと「麹の種類」「味(甘・辛)の違い」「色の違い」に区別できます。
・麹の種類
基本的な味噌の原料は「大豆」+「麹」+「塩」です。このうち、大豆を分解し発酵を進めるのに欠かせない「麹」の種類によって「米味噌」「豆味噌」「麦味噌」「合わせ味噌」に分類されます。
「米味噌」白米や玄米からできる「米麹」を使い、日本全国で造られています。地域によってさまざまな配合、熟成期間のものがある、最も出荷量が多いメジャーな味噌です。
「豆味噌」大豆からできる「豆麹」を使って造られる味噌で、名古屋名物の味噌かつや味噌煮込みうどんにも使われています。
「麦味噌」大麦や裸麦からできる「麦麹」を使って造られる味噌です。九州地方の方はなじみ深いかもしれませんね。
「合わせ味噌」上で紹介した数種類の味噌を合わせた味噌で、全国的に食べられています。「赤だし」と呼ばれる合わせ味噌は豆味噌が含まれているものです。
・味(甘・辛)の違い
一般的な味噌商品は主に「甘味噌」「甘口味噌」「辛口味噌」の3種に分類されます。塩の量が多くなれば「辛口」、麹の量が多くなれば「甘口」になります。
「甘味噌」塩分濃度5-7%程度。関西地方で食べられる「白味噌」や東京の伝統的な「江戸甘味噌」などがあります。関西では白味噌を使った雑煮を正月に食べる文化もありますね。
「甘口味噌」塩分濃度7-11%程度。流通している多くの味噌が甘口味噌に分類されます。甘口といっても文字通り甘いものから、甘じょっぱいと感じるものまで幅広くあります。
「辛口味噌」塩分濃度11-13%程度。もっとも塩味が強く、すっきりした味わいが特徴でかつては主流だった味噌です。現在では主に北の地域で造られています。
最近では麹を多く使った甘めの味噌が好まれる傾向にありますが、甘口の味噌は食材につけたりしてそのまま食べるのにほどよく、辛口の味噌は塩分濃度が高く味が決まりやすいので調理に使うと美味しくいただけます。
・色の違い
見た目ですぐにわかるのは色による分類ですよね。味噌の色は「白色」「淡色」「赤色」に分類されます。この色味は原料となる大豆の品種、大豆を煮るか蒸すかの加熱方法の違い、麹の量、発酵・熟成の過程での管理温度、途中で混ぜるかどうかなどいろいろな条件で異なってきますが、基本的には熟成期間が短いと白色、長くなるにつれて淡色、赤色に変化し、長期熟成になると黒っぽくなっていきます。
「白味噌」熟成期間約1か月。甘みが強い白味噌が一般的ですが、中には塩分が高めの商品もあります。
「淡色味噌」熟成期間約4-8カ月。全国的に流通している山吹色の味噌です。最近の主流でスーパーにも必ずといっていいほど陳列されています。
「赤味噌」熟成期間1年以上。色が濃いのが特徴で中には黒色に近いものも。熟成期間の長い米味噌、麦味噌、豆味噌が分類されます。
ちなみに色の濃い味噌は見た目から味が濃い、塩分が多い、などと思われがちですが、色が濃い=塩分濃度が高いわけではありません。味噌を選ぶときは見た目だけでなく、成分表示の塩分量も気にしてみてくださいね。
MISOVATIONの味噌へのこだわり
MISOVATIONでは月替わりで日本各地の味噌蔵と提携し、「天然醸造」「木桶醸造」「非加熱製法」など伝統的な製法を用いたこだわりの味噌を使用しています。
「天然醸造」工業的な温度管理での発酵ではなく、自然の気候や温度に任せて発酵・熟成させる昔ながらの製法です。天然醸造でしか出せない旨味や風味が特徴です。
「木桶醸造」大きな木桶で仕込む伝統製法。木の桶は蔵の菌が住み付きやすく、発酵食品の風味を決定づける温度変化についても、気温が上昇・低下してもゆるやかに桶の中の味噌に伝わり、まろやかな風味に仕上がります。一方で近年は量産可能で壊れにくいプラスチック桶を使うケースが増えています。また、木桶は修理する職人も高齢化の影響で年々減っており、それに伴い製造メーカーも減少しているため、木桶で味噌を作る蔵は希少になっています。
「非加熱製法」名前の通り加熱殺菌せず、味噌桶から掘り出した味噌を菌が生きたまま商品にした状態で、生味噌ともいいます。スーパーに並ぶ味噌は通常、菌を加熱殺菌します。この工程を経ないと、スーパーの店頭で並べた時に発酵が進んで色が黒くなってしまい、味噌の品質が均一化しなくなってしまうからです。ただ、味噌は発酵菌が生きていることで風味や香りの変化が楽しめるものでもあります。
MISOVATIONはこのように各地の味噌蔵が伝統的製法にこだわって造った味噌を使用しています。これらの味噌は一般的な大手スーパーに並ぶことはなく、基本的には味噌蔵がある本社売店での手売りや、地域のスーパー、飲食店などにしか並ばず、お取り寄せにも流通しにくい特別な味噌です。日本各地のこだわり味噌との出会いも楽しみにしてくださいね。
味噌については商品お届の際にお送りする「MISOTIMES」に製造者様のこだわりをたっぷりご紹介していますので、こちらもご期待ください♪
参考文献
・『味噌大全』渡邊敦光(東京堂出版社)
・『奇跡の発酵調味料 みその教科書』岩木みさき(エクスナレッジ社)
・木桶仕込みについて | 越前有機味噌蔵 マルカワみそ (marukawamiso.com)