【MISOTIMES】入手困難?千葉の老舗味噌蔵が守る伝統の味 / 赤石味噌糀店

【MISOTIMES】入手困難?千葉の老舗味噌蔵が守る伝統の味 / 赤石味噌糀店

日本各地の味噌蔵さまを深堀りしていくMISOTIMES。

今回は「壱年みそ」が製造されている赤石味噌糀店(千葉県市原市)赤石様にお話を伺いました。

目次

明治3年創業、元々は糀屋だった

国産丸大豆とコシヒカリ糀で1年間長期熟成

市原市内でしか買えない?貴重な味噌

 

明治3年創業、元々は糀屋だった

MISOVATION「もともとどのようなきっかけで味噌作りがはじまったのですか?」

赤石様「最初は味噌屋ではなく、地元の糀屋として明治3年に創業しました。現在では各家庭で味噌を作ることも減り、味噌作りが中心になっていきました。糀を主に味噌、豆造、甘酒等を製造販売しており、昔は野菜等も販売していましたね。」

MISOVATION「豆造...初めて聞きました!豆造とは何ですか?」

赤石様「豆造は市原の伝統食品です。味噌を造る時に大豆を長時間煮るのですが、その煮豆の汁に納豆又は煮豆、米こうじ、塩を入れて1ヵ月熱成させた発酵食品です。とろとろでなめると甘いです。昔は各家庭で味噌を手造りしていましたが、その時代に”こんな美味しい汁を捨てるなんてもったいない”と考えた先人の知恵から出来たアイデア発酵食品なんです。」

MISOVATION「当時からサステイナブルな考え方で、地域独特の発酵食品は生まれたとは興味深いですね!」

 

国産丸大豆とコシヒカリ糀で1年間長期熟成

MISOVATION「壱年みその特徴について教えて下さい。」

赤石様「良質の材料から生まれた良質の糀をしっかり使い、ゆっくり寝かせた味噌になっています。お米は良質の国産コシヒカリで、大豆も厳選した国産丸大豆を使用しております。こうじは昔ながらの手造りで、1枚1枚板に盛る板こうじ製法で造っています。大豆はうま味を引き出すために、丁寧に灰汁を取りながら8時間以上、じっくり大鍋で煮ています。味噌の発酵は、蔵で静かに寝かせた天然醸造で、1年間かけてじっくり熟成させ、うま味を引き出し製品になります。壱年みそのなかにも辛口、中口、甘口、特甘、数種類を取り扱っており、最近は甘口の味噌が人気ですね。」

MISOVATION「1年間の熟成はすごいですね!確かに大豆タンパクがしっかりアミノ酸に分解されるので、旨味の強さが印象的なお味ですよね。」

 

市原市内でしか買えない?貴重な味噌

MISOVATION「コロナの影響はありましたか?」

赤石様「そうですね。我々は市原市内の飲食店やホテルといった業務用の出荷割合が多く、かなり打撃を受けました。先程申し上げた豆造は味噌を作る過程でしかできないので、味噌が余ってしまうと、豆造をお求めのお客様に御迷惑をおかけしてしまうんですよね。」

MISOVATION「1年の熟成が必要であれば製造計画を立てるのも大変ですよね...!ちなみに、壱年みそはどこで買えますか?」

赤石様「ここ本社、あとは市原市内の小売店ですね。ECサイトも運営しておらず、今でも地元の方が車で買いに来られますね。」

MISOVATION「まさに知る人ぞ知る、市原でしか買えない味噌ですね。色々とお伺いさせていただきありがとうございました!」

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いかがでしたでしょうか?

これからもMISOVATIONでは日本各地の味噌蔵様の味噌造りに想いやこだわり、魅力などを発信していきます。