美肌効果も!味噌造りに欠かせない「麹」の魅力
こんにちは、MISOVATIONスタッフのゆきみです。
突然ですが、みなさん「塩麹」を食べたことはありますか?
食材の旨味を引き出す、と近年注目を集めている万能調味料の塩麴ですが、あまり馴染みがない方も多いのでは。
この塩麴、実は旨味をアップさせるだけでなく、肉や魚を塩麴に漬けるとたんぱく質がアミノ酸へ分解され、とっても柔らかい仕上がりになるんです。
私は塩麴の魅力にはまり、ここ数年は手作りしているのですが、作り方は驚くほど簡単。スーパーやネットで「乾燥麹」を調達し、お湯と塩と一緒に混ぜ、1週間ほど1日1回スプーンでかき混ぜるだけ!
冷蔵庫に常備しておくと、料理のちょっとした味付けや、鳥の胸肉などパサつきやすい食材をしっとり柔らかにして楽しむことができますよ。
今回は味噌や醤油など和食を支える調味料には欠かせない「麹」の魅力についてご紹介します。
目次 |
味噌と麹の深~い関係
味噌は原料・風味・色などによってさまざまな種類に分類できますが、どの味噌にも欠かせないのが麹です。
麹とは米・麦・大豆などに麹菌と呼ばれる微生物を繁殖させたもののことで、味噌の場合は米麹を使えば「米味噌」、麦麹なら「麦味噌」、大豆のすべてを麹化すると「豆味噌」になります。
実はこの麹菌、日本にしか生息していない日本固有の菌で、2006年には日本醸造学会によって「国菌」に指定されています。日本の風土が生息に適しており、自然界に広く生息する常在菌となって、日本の食文化を支えてきた歴史があるんです。
この麹が味噌づくりにおいて果たす役割は主に次の2つです。
・プロテアーゼという酵素を産生し、たんぱく質を分解する
・アミラーゼという酵素を産生し、でんぷんを分解する
プロテアーゼによって大豆のたんぱく質が分解されることで、大豆が持つ独特の旨味成分が引き出され、アミラーゼで米・麦のでんぷんが分解されると、米や麦が持つ独特の甘みが引き出されます。
このように大豆・米・麦などが持つ旨味、甘味を引き出してくれるのが麹菌です。麹菌がいるから味噌が美味しくなる、麹と味噌の関係はとっても深いんですよ。
嬉しい美肌効果も!麹の魅力
麹を日常的に扱う杜氏(日本酒を造る職人)や麹職人の手は昔から、白くてとてもきれいだそうです。この現象から、麹には肌に良い効能を持つ成分が含まれていると考えられ、研究の結果発見されたのが「コウジ酸」という物質です。
肌のシミのもとになるメラニン色素は、紫外線などの影響でチロシナーゼという酵素が活性化し、人間の体細胞にあるアミノ酸系物質をシミに変換します。このチロシナーゼの働きをブロックする作用が「コウジ酸」には認められており、1988年に当時の厚生省が「コウジ酸」を美白成分として初めて医薬部外品として認可していて、現在では多くの化粧品の美白成分として配合されています。
また、米麹中の成分が肌のセラミド(※)合成を活性化させ、肌のセラミド量を増やすことで、肌のバリア機能を高めるメカニズムも明らかになっており、角質層のセラミド量が増えた結果、肌の水分量が保たれ、乾燥や肌荒れから肌を守ることも分かっています。
(※)肌の角層細胞の間にあり、肌の潤いを保つ重要な保湿因子のひとつ
麹を含む食品を日々の食事に取り入れていくことで、身体の内側から健康的で美しいお肌を目指したいですね。
お肌の調子が気になるときには麹の割合が高い味噌を選んで使ってみてもいいのでは?
MISOVATIONで様々な麹を楽しもう
MISOVATIONでは月替わりで日本各地のさまざまな味噌を使っているので、米麹、麦麹、豆麹、その他いろんな麹をお楽しみいただくことができます。
過去には天然の麹菌を使用した珍しい味噌も登場しています。実は現代では天然の麹菌はほぼいなくなってしまい、種麹を麹屋さんから買って味噌造りをするのが一般的で、天然の麹菌を守っている味噌蔵は日本国内でも数か所だけなんですよ。
毎月の味噌とあわせてどんな麹を使っているのかにも注目してみてくださいね!
それでは、次回もお楽しみに♪
参考文献
・『味噌大全』渡邊 敦光(東京堂出版社)
・『じつは私たち、菌のおかげで生きています』今野 宏(株式会社ワニ・プラス)
・麹菌におけるコウジ酸生合成経路の解析 ja (jst.go.jp) 佐野 元昭
・糀の力で、美しく 糀の美肌効果|マルコメの研究開発 (marukome.co.jp)